

女性器のいわゆる「われめ」の左右のふっくらした所が大陰唇です。大陰唇から「われめ」につづき、やや黒ずんだ襞状の形態が小陰唇です。小陰唇は上方で陰核(クリトリス)を包み(陰核包皮)さらにその上方で大陰唇の皮膚とつながります。また小陰唇は内側に向かいピンク色の粘膜状に移行します。ここを膣前庭といい、膣、外尿道口が開きます。
小陰唇は思春期が過ぎるころから徐々に発達し、成人では大陰唇から若干はみでる感じになります。
時に小陰唇が大きく発育し、大陰唇から垂れ下がるようになることもあります。
この場合下着で小陰唇が引きつれたり、また、恥垢が溜まり炎症を起しやすくなったりすることがあります。
いずれ、機能的にあるいは形態的に小陰唇の肥大が気になるようなら小陰唇を適量切除し形態を整える事は比較的簡単に行なえる手術です。しかし、丁寧な形成外科的縫合法を行なわないと美しい仕上がりにはなりません。
肥大した小陰唇を自然なハート型になるようにデザインします。
このとき、外尿道口よりおおよそ2cmほど小陰唇を残すようにします。切除が多すぎると排尿時にオシッコが思う方向に飛ばなくなります。
切開のデザインは陰核包皮、陰核の脚、腹部に続く大陰唇との境に注意し自然な形になるように考えます。左右対象にすることも大切でしょう。縫合が終了するとタイオーバーを施します。小さなガーゼの塊を切除した後の小陰唇に裏表で縫い込みます。術後出血や腫脹を防止するためです。
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| 個人個人の形に合わせた複雑なデザインです。 | |
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| 丁寧な縫合により、術後の変形を防ぎます。 | 出血防止のため、タイオーバーというガーゼの圧迫を施します。 |
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| ハート型または、アップル型が美しいとされています。 | |
アフリカのホッテントット族(コイコイ人)の女子は、子供の頃から小陰唇をひっぱり、これを長く伸ばす習慣がありました。形態を男子の性器に近づけるのが目的かもしれません。
これをホッテントットの「前垂れ」といいます。
だからといってホッテントット族の女子が生活に不自由したという話しもありません。したがって小陰唇の大きさは形態の善し悪しは別としても女性器の機能には関係無いとされています。つまり、小陰唇が大きかろうとこれは異常ではないということです。
全体に小陰唇があつぼったく、股を閉じて立った状態でも小陰唇が垂れ下がる感じです。

小陰唇の黒ずんだ所を中心に小陰唇全体をしっかり切除します。ただし、外尿道口から2cm程度は残します。陰核包皮やその上方の皮膚も切除します。また、肛門側の弛んだ皮膚を切除することもあります。
小陰唇を多少こぶりにしたいのですが、小陰唇に左右差があるため形態的にも整えたたいという症例です。
小陰唇の小さい方は少量の切除、大きい方は小さいほうのデザインに合わせ必要な分を切除します。

小陰唇をこぶりにすると同時に小陰唇の黒ずみを改善したいと感じている方の症例です。
小陰唇の黒ずみ除去に目を捕らわれ過ぎると、小陰唇全体の形態が悪くなる事があります。多少の黒ずみが残ったとしても形態の美しさを優性すべきでしょう。

他院で一度小陰唇を縮小する手術を受けたのですが、傷跡が汚く小陰唇の外周がデコボコになってしまった症例です。でこぼこした瘢痕を切り取り形態を整えた上できれいに縫合し直します。

小陰唇といえども傷跡は美しくすべきです。傷跡の修正は形成外科の十八番的手術です。
女性器や男性器の手術では術後の抜糸が不要な溶解糸を使用する傾向にあるようです。はたしてこれは良いことなのでしょうか?
溶解糸(ようかいし)は、比較的早期に溶ける(3〜4週間)バイクリル系と比較的長く存在する(3〜4カ月)PDS系に分けられます。皮膚や粘膜の中を縫合する場合は、糸は外に出てきません。したがって縫合部の張力を長い間維持するのにはPDS系溶解糸は大変適しています。
しかし、外側を縫合する場合は、糸が外に出てきて、皮膚や粘膜を圧迫するのです。
そのため早期に溶けるバイクリル系の糸を使っても3〜4週間も傷跡を圧迫するため傷に対し細かい横線が多数できてしまい醜いものです。これを「ステッチマーク」とよんでいます。溶けないモノフィラメントナイロン糸を使うと予定期間で必ず抜糸しますので手間はかかりますが、ステッチマークは残りにくいのです。
つまり、面倒でも外縫合は溶けない糸(モノフィラメントナイロン糸)を使用すべきなのです。
小陰唇形成の術後の傷跡が汚いのは、もしかすると溶解糸を使用するのが原因の一つかもしれません。